建物退去交渉において、未払家賃と修繕費償還請求権を相殺した事案

1 事案の概要

依頼者は、事業者として数十年前から建物を賃貸していたところ、賃貸人が急に行方不明となり、連絡が取れなくなった。

当該建物は老朽化が著しく、雨漏り等が発生していたが、賃貸人が行方不明で連絡が取れないので、やむを得ず、自ら多額の費用を支出して修繕を行った。依頼者は、賃貸人であるにもかかわらず、当該建物を放置していなくなった賃貸人に対して家賃を支払うことに納得ができなくなり、家賃の支払いをやめた。

そうしたところ、賃貸人の親族を名乗る人物から契約を解除するから退去せよという連絡があり、賃貸人が某病院に入院していることが分かった。

依頼者は、今まで何の音沙汰もなかったのに急に建物を退去するよう請求されたことに納得することができず、弁護士に相談した。
 

2 解決までの経緯

弁護士が介入し、相手方に対し、賃貸人には賃借人に使用収益させる義務があり、その義務の履行として雨漏りなどを修繕する義務があること、賃借人が賃貸人に代わって修繕費用を支出した場合にはその修繕費用を請求する権利があること、修繕費用の請求権と家賃の請求権とを相殺することなどを伝えた。

そうしたところ、相手方は、そもそも修繕の必要性がなかった、修繕の必要性があったとしても修繕費用が高すぎて相当ではない、などと主張して、あくまで依頼者に対して契約解除を前提として退去を求めた。

弁護士と相手方との間で、修繕の必要性・相当性について争いのない部分を確定するなど交渉を行っていたが、結局、依頼者の意向もあり、双方が未払家賃・修繕費を請求せず、依頼者が退去までの数カ月分の家賃として数万円を支払って退去する旨の和解が成立した。
 

3 弁護士の目

賃貸人には賃借人に使用収益させる義務があり、賃貸人が賃貸物件を適正に管理しないことにより賃借人との間でトラブルになることがあります。この場合、賃借人としては、きちんと賃貸人が自らの義務を果たさないのになぜ家賃を支払わなければならないんだということで、家賃を支払わないというケースがあります。

もっとも、本件のように、修繕費償還請求権と賃料請求権を相殺しようとする場合、家賃は一定額で争いが生じにくいのに対して、修繕費については、そもそも修繕する必要があったのか、修繕のために支出した費用は妥当だったのか(相当性)、などが争いになりやすく、権利として非常に不確定で、なかなか話し合いによる解決が難しい面があります。

もし、賃借人の方で修繕費を支出する場合には、事前に賃貸人とよく協議して、賃貸人の同意を取り付けてから修繕することをお勧めします。
 

一般民事に関する解決事例

No 分野 タイトル
成年後見等 共有の不動産を分割するため、成年後見人選任申立を行い、共有物分割協議を行った事案
損害賠償 被害者からの過大な請求に対して交渉を行った事案
3 医療事故 手術中に看護師が医師の手を傷つけてしまった事案
4 債権質 債権質を設定し、多額の損害賠償金を回収した事案
5 不動産 建物を収去させ土地の明け渡しに成功した事例
6 建築関係 リフォーム工事をしてもらった故人の相続人が、リフォームが不適切であったとして代金の返還を請求した事案
7 建物退去 建物退去交渉において、未払家賃と修繕費償還請求権を相殺した事案
8 名誉棄損 インターネット上の掲示板に名誉棄損的な書き込みがなされたので、その削除請求と刑事告訴を行った事案
9 建物退去 建物賃借人と交渉し、和解の上、退去していただいた事案
10 相隣関係 相隣関係(騒音)
11 損害賠償 暴行を受けた場合の損害賠償請求依頼者に対して暴行を加えて傷害を負わせた者に対して、損害賠償の交渉を行った事案
12 損害賠償 暴行を受けた場合の損害賠償請求
13 労災 過大と思われる請求への対応

 
 

弁護士法人ラグーン TEL 083-234-1436 

お気軽にご連絡ください。弁護士が親身になって対応させていただきます。
※スケジュールの関係上、お電話でのご相談は実施しておりません。ご予約のみとさせて頂いております。

弁護士紹介  ■事務所紹介  ■弁護士費用  ■アクセス  ■相談実績

 


下関の弁護士 弁護士法人ラグーン
〒750-0006 山口県下関市南部町2-7 
TEL 083-234-1436 / FAX 083-234-1493 
受付時間 平日:9:00~18:00 土曜日・日曜日・祝日:10:00~16:00

Copyright © 2013 LAGOON LEGAL CORPORATION  All Right Reserved.