賃貸借契約に関するご質問

今回は賃貸借契約についてのご質問へのご回答を紹介させていただきます。

賃貸借契約は多くの人にとってかかわる可能性が高い契約になりますので、ぜひご覧下さい。
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Q 現在、建物を賃借しているのですが、賃貸人から、更新料10万円の支払いを請求されています。経済的に、10万円もの金額をまとめて支払うことは困難です。支払いに応じなければならないのでしょうか?


また、賃貸人から、「更新料の支払いに応じないのであれば、契約を解消する予定だが、その際には、賃借人の費用で、日光に当たって劣化した壁紙の修繕などの原状回復を行って欲しい。」と言われました。普通に生活していて劣化した部分までも、賃借人が自腹で補修しなければならないのでしょうか?


A 【結論】:契約締結の際に、当事者が、更新料の支払いや日常使用による劣化部分の原状回復義務を契約書において明示するなどして、明確に合意している場合には、特別な理由がない限り、賃借人は更新料の支払いや日常使用による劣化部分の原状回復をしなければならない。  


【解説】:建物の賃貸借契約は、多くの方々にとって、何らかのかたちで関与することが多い契約類型の一つです。賃借人として当事者になることもあれば、空き家を賃貸しようとする場合には賃貸人として当事者になることもあります。さらには、連帯保証人として、間接的に関与することもあると思います。身近な契約類型であるため、私たちにとって、いつ紛争に巻き込まれてもおかしくない契約類型であるともいえます。


建物の賃貸借契約に関する紛争は極めて多く、最高裁まで争われた事案も多々あります。そのような中、昨年の7月15日に、最高裁が注目すべき判決を出しました。

事案は、建物の賃借人が、賃貸人に対して、更新料(一年毎に賃料の2か月分)を取ることは消費者契約法10条(消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする規定)などに反することを理由に、既に支払った更新料の返還を求めたというものです。下関市内でもたまに利用されているようです。


最高裁は、結論として、一定の場合には更新料をとることは適法であると判断しました。
その際、一般論として、「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は,更新料の額が賃料の額,賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り」適法であると判断しています。

これは、更新料をとることには、賃貸人にとって、経済的な合理性がある一方で、賃借人としても、更新料の意味を理解したうえで、合意をしている以上、一方的に不利益とはいえないということを考慮した結果であると考えられます。


また、原状回復の範囲の問題について、最高裁は、平成17年12月16日に、「賃貸借契約書自体に具体的に明記されているか,賃貸人が口頭により説明し,賃借人がその旨を明確に認識して,それを合意の内容としたものと認められるなど,その旨の特約が明確に合意されていることが必要である。」との判断を示しています。


これらの判例が示すように、最高裁は、賃貸借契約においては当事者の明確な合意の有無を非常に重視し、その判断資料として、契約書に明確かつ具体的な合意条項が記載されているか否かをポイントにしているようです。

そうすると、賃貸人からしてみれば、契約の際に、賃貸条件を明確に説明し書面に残すこと、他方、賃借人からしてみれば、契約書の内容をよく読み、疑問点はその場で確認し、納得できる場合にのみ押印をすることが重要になってきます。


これらのことを、実践することはなかなか難しいことです。しかし、後日紛争に巻き込まれないようにするためにも、契約内容を慎重に検討することが必要不可欠であるといえます。

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